ユーロ高でM&Aに拍車も
今年2月と3月にイタリアの高級ブランド、プラダの「ジル・サンダー」と「ヘルムート・ラング」の売却によって始まった欧州高級ブランドの再編劇。年中盤以降はひと段落したようにも見えたが、パリ、ミラノなどでのファッションウイークを終えた今秋以降、再び様々な噂が飛び交い始めた。
最近話題になっているのが、仏LVMHモエヘネシー・ルイヴィトンを率いるベルナール・アルノー会長とベルギーの投資家、アルベール・フレール氏による英アストン・マーチンの買収検討である。
台風の目になりそうなフレール氏
高級ファッション業界と自動車メーカーとは一見、奇妙な組み合わせに思えるが、映画「007」シリーズでジェームズ・ボンドの愛車で知られるアストン・マーチンは英国の誇る高級ブランドである。現在は米フォード・モーター傘下だが、経営再建を優先するフォードが今年8月に売却方針を示していた。買収額は10億ユーロ(約1500億円)を超えるという。